Signs of illness
見逃してませんか?病気のサイン
動物たちは、自分の健康状態を言葉を使って伝える事は出来ません。
しかし体調が悪い子は、何らかのサインを出している事があります。
それを早めに察知してあげる事で、病気の早期発見にも繋がります。
その子にとっての先生は獣医だけではなく、いつも1番身近でお世話されてる飼い主さまもその一人だと思ってください。
〇咳が出る
・チェックポイント
- 咳をしてから元気がない・呼吸が苦しそう
- 数ヶ月前からずっと咳をしている
- お薬を飲んでも治らない
- 咳は外からの異物を排泄する生体の防御反応です。
- 鎮咳薬などで治る咳もありますが、繰り返す咳の場合、喉(のど)、気管、心臓に病気が隠れている可能性があります。
- X線検査、超音波検査で診断します。状況によっては気管支鏡検査やCT検査が必要になることがあります。
〇呼吸が速い
・チェックポイント
- 口を開けてハァハァ息をしている
- 体全体で呼吸している(努力性呼吸)
- 寝ているときの呼吸数が多い
- 犬猫の正常な呼吸数をご存じですか?
- どちらも1分間に10~30回程度が正常な呼吸数になります。
- 遊んでいる時などは呼吸数が一過性に速くなることはありますが、リラックスしている時や寝ている時に呼吸数が速いのは肺や心臓の病気のサインかもしれません。
- 呼吸が苦しい状況は緊急性が高いため、できる限り早く動物病院を受診してください。
〇くしゃみ、鼻水が出る
・チェックポイント
- 膿状の鼻水や鼻血が出る
- 鼻周りが腫れている
- いびき・鼻音が鳴る
- 鼻水やくしゃみは外からの異物を鼻腔内から排泄する生体の防御反応です。
- いつもと違う鼻水やくしゃみをしている場合、上部気道(鼻、咽頭、喉)に病気が隠れている可能性もあります。
- 歯周病など歯科疾患でも鼻水・くしゃみが出る事があります。
- これはくしゃみ?正常な鼻水?など判断に迷われるようでしたら病院にお越しください。
〇涙が多い
・チェックポイント
- 眼をしょぼしょぼさせていて痛そう
- 涙やけがひどい
- 目ヤニの色が変わった
- 眼に何らかの刺激があると生理現象として涙がたくさん出ます。
- 涙は正常であれば鼻涙管(びるいかん)を通って鼻に排泄されます。
- 犬でよく見る涙やけは鼻涙管閉塞が最も多いと言われています。
- まつ毛が眼に当たってないか、細菌感染してないか、鼻涙管閉塞がないかを検査します。
〇水を飲む量・尿の回数が多い
・チェックポイント
- 以前より水を多く飲んでいる
- トイレに何回も行く
- 尿の色が薄い
- 犬猫の正常な飲水量・尿量をご存じですか?
- 正常な飲水量は犬で体重1kgあたり約50ml、尿量は体重1kgあたり約30mlが1日の目安となります。猫はその半分くらいです。
- 異常な飲水量は犬で体重1kgあたり約100ml、猫で1kgあたり50ml、尿量は犬猫ともに体重1kgあたり約50mlになります。
- 異常な飲水量・尿量は腎臓やホルモンの病気が隠れている可能性があるので、病院で血液検査や尿検査をすることをオススメします。
〇皮膚の異常
・チェックポイント
- 身体を舐めている、痒いている
- トベトベトして脂っぽい
- 皮膚の色が赤い
- 皮膚の病気は皮膚の異常だけでなく、内臓器やホルモンバランスの異常でも症状が出ることがあります。
- 特に犬は猫に比べて皮膚のトラブルが起こりやすいです。
- 皮膚の赤み、ベトベト、ふけは皮膚病のサインです。
〇吐いている
・チェックポイント
- 何度も吐く
- おもちゃなどの異物を飲み込んだ
- 嘔吐物に血が混じる
- 吐きは空腹や食べ過ぎなどの一過性のものから、命に関わるものまで様々な原因が考えられます。
- また吐き方も病気の特定に非常に重要です。
- 血液検査、糞便検査、X線検査、超音波検査によって診断します。状況によっては造影検査や消化管内視鏡検査などが必要になります。
〇下痢している
・チェックポイント
- 下痢を繰り返している
- 下痢してから元気がない
- 便に血が混じる
- 下痢の原因はストレスや食事だけとは限りません。
- 下痢は回数、量、性状によっても種類が分けられ、整腸剤などで治る一過性の下痢や重篤な病気が隠れている下痢まで様々な原因が考えられます。
- 吐きと同様に原因特定には多くの検査が必要になることがあります。
〇痩せてきた
・チェックポイント
- ごはんを食べているのに痩せている
- 筋肉が落ちた
- 元気ない
- 犬猫が痩せているのを年齢のせいにしていませんか?
- 5%以上(例:5kgの子が4.75kgまで痩せる)の体重減少はごはんの量が足りなかったり病気のサインです。
- 特に側頭筋や軸状筋(背中周りの筋肉)の筋肉量が落ちている場合、重篤な病気が隠れている可能性があります。
- 飼い主様でも気付きにくい事もあると思います。動物病院で定期的に健康診断を行いましょう。
〇手や足が痛そう・動きがおかしい
・チェックポイント
- 前肢や後肢を挙げている
- 触ると痛がる
- ふらついて歩く
- 手や足が上手く動かせないのは骨、関節、筋肉だけではなく、脳神経や内臓器の異常によっても起こります。
- 犬猫は痛みを訴えることができないので、少しでも歩き方に違和感が見られましたら病院にお越しください。